建築工事について【コンクリート工事準備編】
皆さんこんばんは!
なおやです。
前回に引き続き、建築工事について書いていきます。
今回は躯体工事の中でも「コンクリート工事」について書いていきます。
※躯体工事とは建物の骨組みを作る工事です。
イメージとしては車でいうフレームと思って頂けばOKです。
多くの人には、住んでいる家や職場、街中のブロック塀などといった形で
コンクリートが身近に関わっています。
ですが、詳しく知っているかと言われると意外に知らないものです。
今回はそもそもコンクリートとは何なのか?
また、工事における注意点などを書いていきます。
【そもそもコンクリートって何?】
先ず大前提としてコンクリートとは一体何なのでしょうか?
「セメントと水を混ぜればコンクリートでは?」
と認識している人も結構いますが、これでは不十分です。
コンクリートとは、セメント+水+細骨材+粗骨材を適性な比率で練り混ぜた物です。
その他にも混和剤なども加えますが、ここでは割愛します。
※細骨材、粗骨材とは簡単に説明するとこんな感じです。。
細骨材・・・全ての粒が10mm以下で、そのうち85%以上が5mm以下の骨材です。
川砂などの粒形が細かいものが該当します。
粗骨材・・・5mm以上の粒が全体の85%以上含まれている骨材です。
川砂利などの比較的劉敬が大きいものが該当します。
余談ですが、似たようなものもあります。
セメントペースト・・・水+セメントを混ぜ合わせたもの
液体糊のような用途でタイルの貼り付けなどで使用する。
モルタル・・・水+セメント+細骨材を混ぜ合わせたもの
レンガの接着剤や仮設のスロープ作成など用途は多岐に渡ります。
この中ではコンクリートが最も強度が高い為、建造物の躯体に用いられています。
【コンクリート工事における注意点】
次は実際の工事における注意点、管理ポイントについてです。
建物全体の品質に影響を及ぼすため、躯体工事時には一番のポイントになります。
また、躯体工事では一つのフロアはコンクリート工事を終えて完了という節目でも
あるので現場としては1大イベントです。
因みに、ゼネコンで現場配属になるとほぼほぼ最初はコンクリート担当です。
いきなりハードな工事の担当になりますが、同時にやりがいも大きく感じられます。
準備段階での管理ポイントとしては以下が挙げられます。
・コンクリート数量の確認(拾い)
・配合計画の確認
・コンクリートプラントとの距離確認、車両手配
・ポンプ車、職人の手配
・打設計画書の作成
各項目については以下の通りです。
○コンクリート数量の確認(拾い)
打設する範囲のコンクリートの数量を図面から算出します。
この数量が各種手配や計画などの基準になってくるため
なるべく高い精度で拾う事が重要です。。
私の経験では、
柱⇒梁⇒床⇒壁⇒開口部やその他雑躯体
この順番で計算していくと楽に計算出来ました。
↑これが平面図です。実務ではこれと高さを基に算出します。
○配合計画の確認
各部位に使用するコンクリートの配合は予め設計図書で決まっています。
この配合を確認せず誤って強度が低いコンクリートを使用すると構造耐力を
満たさず建物が崩壊する恐れがあるので、必ず配合計画書を確認しましょう。
↑これが配合計画書です。 手配時は設計図書と配合計画書に相違が無いか
確認します。
○コンクリートプラントとの距離確認、車両手配
車両の数には限りがある為、なるべく早い段階で手配を行います。
また、その際に工事現場とプラントの距離も確認しておきます。
理由は2つあり、
・ミキサー車をなるべく途切れさせない様に必要な台数を確保する為
・コンクリートの練り混ぜから打ち込み完了までの時間が決まっている為
この2つを考慮する必要がある為です。
※練り混ぜから打ち込みまでの時間は下のように決まっています。
・外気温が25℃未満の場合=120分
・外気温が25℃以上の場合⇒90分
この時間を超えると強度が落ちる為、必要品質を確保できなくなります。
↑これがミキサー車です。 たまに街中で見かけたりしませんか?
手配期間の目安としては打設日の1ヶ月、遅くとも2週間前には手配します。
○ポンプ車、職人の手配
プラントの手配と同時にポンプ車や職人の手配も行います。
手配するのは以下の業種になります。各役割も記載します。
・ポンプ工・・・コンクリートポンプ車の操縦やコンクリート打設を行う。
・土工・・・打設時の手元職人。 叩きや締固めを行う。
・土間工・・・打設後のコンクリートの表面を均す。
・鉄筋工・・・打設時の鉄筋の乱れを直す。
・型枠工・・・型枠の固めやはらみを直す。
・設備工・・・配管配線用のスリーブの乱れを直す。
・試験工・・・コンクリートの試験体の採取と試験を行う。
試験で数値をクリアできないコンクリートは打設不可。
・デリバリー・・・プラントとのミキサー車台数調整を行う連絡役。
手配しない場合もあり、その場合は現場監督が行う。
手配漏れがあるとコンクリート打設が出来ない為、忘れずに行いましょう。
万が一を考慮して、打設前日にも確認の連絡をしておく必要があります。
↑これがコンクリートポンプ車です。 打設数量によって大きさを選定します。
こちらも手配期間は1ヶ月、遅くとも2週間前には手配します。
○打設計画書の作成
最後の項目である打設計画書の作成です。
これまでに手配した車両や職人を基に作成します。
車両の配置計画や打設ペース、打ち込み完了時間や打設手順などを図示化して
他の作業とも調整を行う必要があります。
↑これが打設計画書です。 このようなものを打設前に毎回作成します。
気温や周辺状況、天気なども考慮して作成する為かなり手間がかかります。
以上が、コンクリート工事の準備における簡単な手順です。
用語については簡単な説明しかしていないので、後日別記事にて詳しく書いていこうと思います。
良ければ、記事のコメントなど書いて下さるとうれしいです!
ではまた!